アラサーバイ♂らむきーブログ

らむきー と申します。バイセクシュアルです。男の人も女の人も好き、ただどちらかと言うと男の人の方が好き。という 人間です。大阪在住。

婚活が引き起こす病 レビュー

婚活疲労症候群 高村恵

婚活疲労症候群なる病があり、そのうえ婚活疲労外来という診療科があることにびっくりした。(2009年11月 東京都の河本メンタルクリニックが第一号)
婚活が隆盛を極める現代、婚活に躓き病を患う人が多いんだろうな。


P28) 婚活相手の条件をPC検索する際、 数字は時に残酷だ。
年収499万円あたりにどれほどいい人柄の人間がいても、500万円以上で検索すると彼らは弾かれる。
同様に39歳と40歳。年の差は1歳だが30代と40代で大きく印象が変わる。
昔の仲人さんが請け負っていた結婚相談所は、人柄もよく知って選んでくれていたようだから、良し悪しかな。限りなく上下を下げて妥協(良い言い方ではないが)することが巡り会える人の範囲を広げるキーになる。

P62) 就活と婚活は似て非なるもの。
就活は職場で活躍できる能力の有無を評価される。
しかし婚活は更にスケールが広く、容姿や性格、健康度、能力、学歴、年収、社会的地位、肉親、結婚後の生活形態などあらゆる角度から分析し評価されるからである。

これには頭を抱えたくなる。
婚活に勤しむ方々は皆、とんでもなくシビアな場で戦っているのだな。ひゃー、 こりゃ大変だ。
学歴も大したことなく、ましてや役職もない、万年平社員バンザーイ!というお気楽主義は自分など会って話してソッコーごめんなさい!!の門前払いを喰らいそうだ。。。

もはやそこに、純粋な「好き」という感情が介入できる隙間はあるのか。
個人的な主観であるが、こういう場において女性の方が評価する目は鋭そうだ。カッコイイけど年収低いとか、経済的に安定しているが人柄に一癖ありそう、だとか。笑顔の裏で目まぐるしく働く心理戦。まぁ人間無くて七癖やもんで、癖のない人っていないと思いますケレドモ。自分も然り。生きてくって大変。人の世はなんて悲劇。
あたしゃ怖いよォ〜。

P67)男性に多いうつ、女性に多い不安障害。
男性→正面から体当して玉砕することが多く、気分を滅入らせて鬱病を発症する。
一方女性は傷つくことを回避しようとする傾向が強い。断られることへの不安や恐れが大きいために、先方から断られる前に断ってしまうとのこと。

確かに、振るより振られる方が精神的ダメージが大きいもんなぁ。

P81) 婚活疲労する多くが基本的にコミュニケーションを苦手とする人だが、中でも神経質な人は疑心暗鬼になりやすく真面目な人と共にうつにならやすい。
相手に対する要求の多い人も、自ら断ることが多いため行き詰まりやすく、うつや不安の増大を引き起こしがちだという。

最後に、婚活疲労症候群は婚活が上手く行けば改善される、という文には当たり前過ぎて笑ってしまった。
そうそうその通り!!
だがなぁ、上手くいくのが難しいンダヨな、オイ!
ただ、初対面で終わっていたデートが二回目まで続くようになったとか、一方的な申し込み続きだったが向こうからデートの打診が来たなどの小さな成功体験を積むことも、病を改善することに有効という。
自己肯定感を高め、自信を持つことは婚活疲労だけでなく、それを乗り越えた先の人生においても非常に大きな役目を果たすと思う!

以上、大変面白いお話だった!


最後に最近ハマっている黒にんにく。

熟成されると刺激成分は消え失せ、なんとドライフルーツのように甘かった!これホンマにニンニクけ!? リピしたい!

Roland「俺か、俺以外か」レビュー

Rolandのご本。

妹から勧められて楽天で買ってみた♪
特にどんな人か知らず読んだけど、面白い!



肉体もムキムキ、髪は綺麗な金髪。タキシード姿が良く似合う、綺麗な方だ。
自分の考え方があり、ブレない。
100人に反対されても、100人全員が間違っているかもしれない。

という意見には度肝抜かれた。カッコイイ!!
だからこそホストの帝王に君臨できなんやなぁ。

発言が突き抜けてる分、潔い。
年齢なんて ただの数字。
「どれだけ生きたかではなく、どのように生きたか」
には納得した。
これは介護をする上でも常々思っていたこと。

こんなこと言うのは失礼を承知なのだが、

年上を敬うことは大切だと思うけど、偉いとは思っていない。
その方の生き方が立派だと思った時やっと、自分はその方を素晴らしいと思えるから。
なぜなら、施設の中にはただ歳を重ねているだけの人たちが少なくないからだ。
酒や女に溺れて借金まみれ、妻に見放されて自身は生活保護。子供に意地悪ばかりして誰も面会に来ない方など、 果たしてその人が自分の家族ならどう思うか、と毎回考えている。
だからこそRolandの言葉が響いた。

年齢が上なのが立派なら、健康に気をつけ長生きすればいい。
家に引きこもり、どこも行かず隔離された場所で食事をして過ごしていれば早死はしないだろう。

でも私は、自分の身内含めて、長生きなだけで周りからグチグチ言われ嫌われてきた人たちがたくさんいた。
だから長生きはいいものとは限らないと思っている。介護士の口からは言いづらい意見だ。

だから自分は、長生きよりもパパっと濃く生きたいと思っている。
短くても詰まっていればそれで満足できそうだからだ。
あくまでも個人の考えである(´・ω・`)

亡くなった作家の新しい本

2021年に膵臓がんで亡くなった作家、山本文緒 さんのエッセイ集。

帯の言葉が胸に刺さります。

ずっと読みたくて、でも既に亡くなっている方の話を読むのが怖くて、数ヶ月逡巡していたが、今回思い切って買った。

山本文緒さんの死を知ったのは半年前。
もう既に亡くなってしまったことに大変ショックを受けた。
彼女の小説はよく読んでいたし、どちらかと言うとエッセイを気に入って何度も何度も読み返していた。
気取らず自然体な言葉が詰まっていて、結婚、、離婚、再婚を綴った文章は何度読んでも色褪せなかった。

膵臓がんになり、緩和ケアを選択せざるをえない状況から日々紡がれた言葉たち。
山本氏の心情がはち切れんばかりに込められていた。
とりあえず120日生きよう、と自分のピリオドを決めてからそれを目指す生き方。
悔しかっただろうな。
悔しくも逝去の直前に著書が2つの文学賞を受賞したが、彼女は手放しで喜べない状態だったという。


「余命を宣告されたら、安らかな気持ちになれるのかと思っていたが、それは違った。
そんな簡単に割り切れるかボケ!と神様に言いたい気持ちがする」


帯のこれに集約されている。
がん は、宣告されてからお別れの期間があり過ぎるほどある。だから、お別れの言葉は言っても言っても言い足りない。と記されている。
彼女を訪ねてくる人々もどんな言葉をかければいいのか、どんな顔をしていけばいいのか、お互いに気を使う時期だっただろう。
彼女の人を労る優しさと、自身の病気に怒り、そして受容していくプロセスを感じることが出来た。

本書全体を通して、彼女は泣き言は言っても誰かを強く排斥したり糾弾することはなかった。
ガンになった、そんなものだろう、と自らの運命を割り切って考えているのが、文章から汲み取れた。それは、大きな覚悟が必要だったことだろう。自分がいつ死ぬのか宣告されるだけでも絶望的なのに、ご主人もよく献身的に彼女に尽くしたものだ。立派なお方です。
山本氏はもうこの世にいないけど、本は残る。
彼女が残してくれた数々の作品をこれから読み返すのが苦しいけど、思い出すだけ何にも無くしていないのだから(鬼束ちひろ Level rockより)、 前向きに生きていきたい。

山本さんありがとう。


ベランダの野菜たちもよく育ってきている。プチトマトは小さいけどちゃんと甘かった。
植物は手をかければそれに応えるように成長してくれる。 そのような人間になります。努力だ。

樹木希林「120の遺言」を読んで



家宝にします。
ハッとする言葉がたくさん。

死ぬ時くらい好きにさせてよ、という表紙の言葉にまず衝撃を受けたし、美しい緑の衣装ごと森の中の池に浸かっている写真も度肝を抜かれた。

好きな言葉たち↓
「幸せは常にあるものではなく、自分で見つけるもの。」→自分から見つけに行く!主体的に!

「失敗したらそこからスタート」→クヨクヨ考えてる時間なんて勿体ない!次だ次!


「楽しむのではなく、面白がる」
→面白がるっていう視点が樹木希林らしい。彼女は最後、ガンまでも面白がっていた。物凄い豪傑。

「どうぞ、物事を面白く受け取って、愉快に生きて。あんまりがんばらないで。でもへこたれないで」
→その通り。勇気が出たよ。がんばらないことをがんばるね。

「年をとったらみんなもっと楽に生きたらいいじゃない。求めすぎない。欲なんてきりなくあるんだから」
そう思えるために、若いうちにたくさん働きお金を貯め、人との繋がりを作っていきます!

「自分で壁を作って閉じこもっている若い人はいっぱいいる、自由に生きていいのに、自分で生きにくくしている、その贅沢さ、壁なんかないのにね」
→そう、付き合う人を選ぶのは自分。嫌うのも自分。ぜーんぶ自分なんだ。持っと自由に、フラットに考えたい。


「いつかは死ぬではなくて、いつでも死ぬ」という感覚。
→この身は借り物。死ぬ時にお返しすると考えるとラク


「老衰で亡くなるのは最高のものなんだから」
畳で自然に死にたい。いま31歳だけど50歳くらいで死にたいな。短くていいからギュッと濃く生きたい!




とにかく親以外で見本にしているお方。
お金持ちの家庭に生まれたのに、奢らず自然体な姿が素敵だった。
天国で会いたい。

ドストエフスキーを読む。

ゲイアプリで知り合った本好きの友人から勧められた、
ドストエフスキー地下室の手記
を2週間かけて読みきった。

付箋貼りまくり🫠


自意識過剰で価値観を押し付けまくる主人公の傲慢、、横暴ぶりがとにかく激しかった。

P46「人間とは、二本足の恩知らずな動物」
人間とは、と言っているがきっと自分以外のすべてを指し、見下しているのが明らかである。

P143「愛情があれば、幸福なしでも生きていける。たとえ不幸だって、人生はいいものさ。」
主人公が売春宿で働くリーザに言い放った台詞。

愛情あってこその幸福じゃないの?
不幸な人生もいいってそれはあなたの意見じゃん、押し付けじゃん!
突飛さに吹き出してしまった/(-_-)\

P151「愛は神のみが知る秘密でね、たとえ何が起ころうが、他人の目からは隠しておかなければならないものなんだ」
結婚もしてないアンタが何語ってんだよ!ってな話。天狗ぶりが甚だしい。

極めつけの、リーザへの一言。
P155「そりゃ、この家(売春宿)だって、穢らわしいところには違いないけど、それはもう言わないよ」

言わないよってもう言ってるじゃねーか!
しかも穢らわしいとか、自分からそこに来てやることやってんのに何言ってんだか。
腹立つわ。相手の気持ちも考えてる発言しろっての。



そんな世間知らず過ぎる主人公がリーザに告白し、逃げられる結末が痛快でスカッとした!
偉そうなことを言っていたのに、実生活は貧困で荒廃した家に住んでいる主人公が、「嘘の仮面を被る(惨めな生活をしている自分を偽る)ことを卑劣だと自覚している」ことを告白するシーンは、腑に落ちた。救いがあってよかった。


ドストエフスキーは20代前半のとき、罪と罰が難解すぎて挫折したけど、今回31歳で挑戦して読了できて嬉しかった!
1度読んでもよく分からず、2度目でやっと内容が頭に入ってきた。やはり何度も読むことはいいことだ!
読み疲れて疲労困憊・・・。

読書会で話したい気分。
ジモティとかで探してみようかなァ。

今日、嬉しかった話。


いま、大阪のある老人ホームに勤めている。
そちらの入居者の女性(93歳)
の排泄介助に伺うと、目をパッと開きこちらを見て
「あんたの顔見るとホッとするわ」
と一言。

彼女は韓国人の男性と結婚し、向こうの生活が長かったため語学が堪能。そのため毎回、これは韓国語でどう言うの? と聞いて教えて貰っている。
何をしてもありがとうと労って下さり、体が元気な反面ベッドから何度も転倒し骨折、入院されるも戻って来られている。腰の低い優しい物言いが素敵で、不死身のような姿の彼女。

施設には色々な入居者さんがいるけど、業務が忙しいため落ち着いて話ができるのはひと握り。

そこで職員の目をかいくぐり、仕事をするフリをして部屋へ入ってヒソヒソ話をするのが大好きな私。
忍者のようにコソコソとよく彼女の部屋へも忍び込んでいたのです。

ずーっと部屋で寝てるし、コロナで面会もできないし、退屈で 早く死にたいとみんな言ってる。

だったら自分といるときだけでも笑って、楽しい気持ちになってもらいたい。と。数分でもいいから、誰かに生きていて良かったと思ってもらいたい。との信念で関わっていたことへのリターンがあって、嬉しかった。
彼女の言葉が脳裏で反響し、今尚まだその余韻が残っている。
好かれるためにやっている訳ではなくて、ただ自分勝手な振る舞いでしか無かった。
だからこそ沁みた。
明日も彼女を笑わせる。アンニョンハセヨ〜って笑顔で挨拶して、昔話を聞かせてもらおう🥳

昔、ACジャパンのCMで、「命は大切だ、命を大切に。そんなこと何千何万回言われるより、あなたが大切だ。誰かがそう言ってくれたら、それだけで生きていける」
と流れていたのを思い出した。
それに準ずるような出来事。

P.S.スーパー寄ったらホッケ売ってて買っちゃった✌️ 小ぶりやけど美味しかった😋

桜庭一樹「少女を埋める」

昨日読み切った1冊。

ノンフィクションのような内容だが、著者曰く 「確実な虚構を入れたから、あくまでも小説」だそうだ。

山陰で生まれ、小説家として東京で暮らすようになった著者。父の危篤により再び故郷へ戻り、実母との物理的距離が縮まる中、噴出してきた感情の数々・・・。

山陰という土地柄、典型的な田舎人間が多いようだ。曇りがちな天気も起因しているのか。
東京では人間関係に影響が出そうな表現、内容は口外するのを憚るが、 この地では無遠慮に口に出す。(著書より)

また、全体的な秩序維持の下には、個人の幸福は全力で押さえつけられる。

という表現に戦き、恐怖を感じた。
と共に、自分の故郷にもある共通点を思い出した。

例えば、消防団
都会ではあまり聞いたことがないが、自分の生まれ育った地域では高校を卒業した男は地域の消防団に加入することになっていた。、任意という義務のような決まり。
もしそれを拒むと、○○さんの息子さんはおかしいわ、変やわと近所中の噂になるそうな。

あとは、家父長制が絶対的な幅を利かしている田舎において、家族や地域のルールを決定する際、多くにおいて女性の意見は斥けられる。
代々続く偉いさんや名家の男が権力を持ち、○○さんとこは偉いさんやからなぁ〜 とそれになんの違和感も持たず、自然に踏襲する。
わたしなど子供たちが、何かおかしくない?と石を投げると、「そんなこと言ったらアカン!!」と大人たちが血相を変えて潰しにかかる。

ということが確かに、子供時代には数多くあった。
とにかく、疑問を持たず、ただひたすら昔からのやり方を同じように受け継ぐことを良しとする文化。そうしていれば出る杭は打たれないし、ご近所さんとも上手く付き合っていける。

それに反抗するなら
「出ていけ」。嫌なら 「従え」だ。

ただ、家族の中でまでその因習が持ち込まれるとしたら、どうだろうか。
世間体を大切にするあまり、時に地域の付き合いに反抗するかのような子供の意見を力づくで封じ込めてしまえば、親子関係に支障をきたすことは明らかである。
著者はと 東京に出たかったと綴っている。
田舎の人間関係は濃密で、時に暴力的だ。
静かに誰かの首を絞め、圧力を加えていく。

その点、近所に誰が住んでいるのか分からない都会で暮らすのは気楽だ。
うちのマンションなんて、エレベーターで相乗りした際は会釈こそすれ、挨拶すらしない人もいる。
そんなコミュニケーションを放棄した人たちがたくさんいる環境に慣れたら、今更気を使いまくる、窒息しそうな場所で生活することなんて、できない!と思うのはとても理解出来る。
実際実父が亡くなり、母から「落ち着いたらこっちに帰ってきてよ」と言われた著者が、「いや、職業柄それは難しい・・・」
とハッキリ断る。
著者は母から暴力を振るわれたこともあるそうだ。しかも実母はその母(祖母)から暴力を受けていたと、暴力の、連鎖。
著者が孕んでいるものが多く、成長する過程で気苦労が耐えなかったんじゃないかと思った。

タクシーに乗り、運転手が20代の若者なのを知り、「この仕事は長く続けられないから、他の仕事をした方がいい!」とダイレクトに言ってしまうような 母と同じ家で暮らしてきたんだもの。
ただ、そんな母へも一定の理解と客観的な視点を持っている著者は大人だ。

表題作の他に著書に書かれていない内容をあらすじとして文芸批評欄に書かれてしまった事件?への対応、奔走、ついには疲れて寝込んでしまう・・・等の顛末が書かれたキメラ、も併録。

桜庭さんって少女を主人公にした小説だと、追い詰められた立場の人間の心理を書くのが上手いという印象だった。
少女には向かない職業とか、砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けないなど。

彼女が母をデマから守ろうとする姿は勇ましく、弱いなんて思えなかったし、積み重ねてきたキャリアを反故にしてでも火を消しに奔走したのは意味のあることだったと思う。