アラサーバイ♂らむきーブログ

らむきー と申します。バイセクシュアルです。男の人も女の人も好き、ただどちらかと言うと男の人の方が好き。という 人間です。大阪在住。

読書感想文と10代の自分

往復2時間の通勤電車の中で2冊読み切りました。
なかなか心の琴線に触れてきた本だったので感想文を残したいと思います。


村田沙耶香 「マウス」
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あらすじは割愛し、率直に感想を。

学校にいるとき、なぜあんなに周りを気にしていたんだろう。と。
常に周りを伺い、移動は2人以上でグループになって。
群れることを最優先事項のようにして過ごしていたあの日々。
なぜなら1人になることはいじめの標的になることと同義だから。

特にこの物語は女子の関係性を色濃く描いているため、女子特有の陰湿な力関係や駆け引きがこれでもかと出てきて、嫌な気持ちに度々なりました。

人を頼り、グループの中へ入って常に誰かといないと不安だった主人公が、 たとえいじめに遭っても1人を貫き、他人に好かれるようにキャラを作り、自分を演じることをしなくても、そのままの自分を出す。その姿を好きになる人がいることに気付いた、少女の内面が成長した瞬間、に痺れました!

出来そうでできないことです。
自分も群れていたかった。
ただ、群れていてもいじめには遭いました。
それはまた後ほど。

また村田沙耶香さんは時々 吹き出すような文章を潜ませています。
笑う ではなく、噴く んです。(個人的に)

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↑これなど。
デビュー作の授乳 は空想的過ぎて途中で読むのを断念しましたが、これは傑作。
マウスの意味はネズミ以外にも多々あること、それが主人公にも繋がりがある など伏線も楽しめました!

②小林エリコ 「生きながら十代に葬られ」

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本作は2020年読んだ本の中でもベスト10に入ります!
それほど好き。

彼女の著作は既に4冊ほど読んだことがあり、若干他と重複している内容もありますが、自殺未遂をしまくった彼女が編むエピソード。
もう、痛みしか感じられません。
苦しさ、天敵に狙われた時に出る変な汗、肉体的精神的な痛み、叫び出したいくらいの暴力的な欲望。

小林エリコさん、そんなものに翻弄された十代だったのですね。
読みながら、彼女はきっと泣きながらこの本を書いたのではないかと思っていたら、やはりそのようでした。
タイトルも秀逸ですが、装画もピカイチ。目次の名前もとてもセンスがいいです。

とりわけ最後の
「十代の私に百合の花を」
には、名付けが素晴らし過ぎて拍手しました。

百合なんですね。
華美ではなく、落ち着いたようで、近くに寄ると強烈な香りを放つ花。
まさに弔いに相応しい。

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自分がいじめに遭っていた時のことを思い出しました。

ほうきで足を引っ掛けられ転ばされ、笑われ、霧吹きで制服に水をかけられ、掃除用具箱に閉じ込められ、ボールを当てられ、トイレでズボンと下着を下げられ集団で蹴られ殴られた中学3年間。

嫌なことばかりで逃げ出したかったあの3年過ごした学校のことを思い出し、腹が立って溜まりませんでした。
自分を虐めたやつを殺したやりたかった。
人を虐めて平気な面で毎日登校してくるアイツらが死ねばいいのにと、毎日願っていました。
中学を卒業して13年も経っているのに、虐めたヤツらの名前と顔はちゃんと覚えています。
いじめのせいで性格は暗く臆病になり、人を怖がるようになってしまいました。
その弊害は未だに残っています。
とにかく人が怖い。

ただ、最後に小林エリコさんは結んでいます。

学生時代に嫌なことばかりで死にたかった。
でも大人になってから、たくさんの人が自分の周りに現れ、恋人もできた。

当時の自分に伝えたい。
生きていたらいいこともあるんだよ、と。

自分はいま28歳。
辛いと感じる日の方が圧倒的に多く、悲しみに苛まれる機会も多いです。

正直死ぬんじゃなくて早く消えてしまいたいと思っています。
この生きづらさが無くなるのはいつなんだろうと。
おまけに言葉がスラスラ話せない 吃音という言語障害も持っているので、 職場ではちょっとした変人扱いされています。
日本人なのに日本語が流暢に話せずカタコトな為。

もう周りの人が自分に向ける嘲笑の目、バカにする顔、態度は腐るほど目にしたので、慣れました。
自分はバカにされて生きてるんだと、プライドを投げ捨てて、ボロ雑巾のスタンスで日々暮らしています。

この本を読み終わったあと、あとがきで泣きそうになりました。

小林エリコさんと抱き合いたい。
十代とはなぜあんなに辛かったんだろうと。

とにかく、暗い十代を過ごされた方には 大分効く 本だと思います。

今後も色んな人にバカにされ、殴られた、虐められて生きていくんだと思います。
その中で、自分を相手にしてくれる勇者のような友人たちを大切にして、自殺は避けて過ごして行きます。
とりあえず明日は京都へ行くのだ(^^)/