アラサーバイ♂らむきーブログ

らむきー と申します。バイセクシュアルです。男の人も女の人も好き、ただどちらかと言うと男の人の方が好き。という 人間です。大阪在住。

自分の機嫌取りで精一杯な私へ

本のレビュー。を。

山本文緒 「自転しながら公転する」読み終えた。

654ページ、分厚いけど後半一気に引き込まれた。

実家暮らしの主人公が親離れできないまま、仕事、恋愛、そして親の介護に直面する。
私たちは大人になった途端、働くことを義務化され、所得を得たと同時に税を納め、やれ恋愛だ、やれ結婚だ、自分が成熟していくにつれて老いていく親。介護、施設、死、、、。
現実問題として自分のことをこなす(自転)わたしに降りかかる他人の問題に関わざるを得なくなる(公転)現状。

タイトルがとても秀逸。
現代人そのものだからである。

自分のことで精一杯なのに他人の面倒みるなんて無理だよ!!と彼女は叫ぶが、世の中にはそれらを器用にこなしている人たちが少なくないんだろうな。
この人と付き合ったら幸せになれるかな?
結婚したら幸せになれる?
お金もってない人とは結婚したくない、幸せになれなさそう。

という価値観が、この本の中で暴走し、暴れ回る。
幸せを他人に委ねる主人公が最後、どんな結末になったのか、どんな成長を遂げたのか、がこの物語の醍醐味だと思うが、自分は本書を読みながら、30代としての生き方を考えていた。
女性は結婚、出産があるが男性には無い。
それ故に結婚をそれほど急ぐ必要もないように思う。(人によるが)
しかもいま31歳。
付き合うならどんな人がいいのか、逮捕歴がある人はダメなのか、収入が少ない人は良くないのか。
主人公が迷い悩むたび、自分も同じように自問自答していた。
幸せは自分から作り出すもの、見出すものです。
とは、かの美輪明宏の言葉。
真理だと思っている。
拘り続けてがんじがらめになっていた主人公が、寛容さの境地に辿り着いたように。
自分もそんな風に穏やかな気持ちになれる場所を見つけたいと思う。
復縁した彼は、果たして2年、3年、5年後も一緒にいられる、いてくれるのか。
自分にとって相応しい相手なのか、今でも考えてしまいます。(相手の方が年が上だし収入も遥かに多く、釣り合いが取れてないことをとても気にしている・・・)
←友人からは そんなこと気にしたらアカン!と叱られたが、、、、気になっちゃうんだよォ・・・。(;;)

著者が60歳を目前にして亡くなったことが残念でならない。。。